プレイステーション・ポータブルパーフェクトカタログの作業がやっとこさ終わったので久々の更新です。PSPのギャルゲーといえば設定からとがっているものが多い印象ですね。たとえば有名どころを幾つか挙げますと。
- 『AKIBA’S TRIP』――脱衣アクションバトルで吸血鬼を日に晒すRPG。ムフフな予感のする設定だが、脱がせる相手は男が妙に多い。
- 『CONCEPTION 俺の子供を産んでくれ!』――儀式で産まれた我が子を戦いに送り出すRPG。タイトルがすでにとがっている。
- 『クリミナルガールズ』――囚人の女の子におしおきしてスキルを覚えさせるRPG。いいタイミングでお尻を叩くのが難しい。
ちょっと思い浮かぶだけでもこんな感じでしょうか。
上記は先にも書いたとおりPSPのギャルゲーとしてはかなり有名ですが、知らない方でもそうとわかるとがりっぷり。でも、これらはプレイ動画もレビューサイトもいっぱいあるようなので、今回ご紹介するゲームは他のものを用意してみました。記事の大半を書いてから「ギャルゲーではなくね?」なんてちょっと思いましたが、美人で悪女な貴族夫人に心を持っていかれたので、とんがりギャルゲー紀行で扱ってもよしとすることにしました。
剣闘士 グラディエータービギンズ
ローマ帝国を舞台に、多額の借金を抱えた剣闘士となって実力で成り上がるアクションゲームです。見世物である都合上、試合では勝つだけでなく盛り上げる必要があり、回避やパリィ、連撃で観客にハラハラドキドキしてもらわなくてはならないが特徴的。
試合の賞金は大半が借金返済に持っていかれ、おまけに怪我をしたら治療費もかさむので、攻撃だけでごり押すのは効率が悪いんですよね。貧しい奴隷剣闘士は肉体が財産。命が安い世界だからこそ、自分で大事にしなくてはなりません。
試合で勝つと対戦相手の装備を貰えるのですが、試合の内容がいいと貰える数も増えてお得だったり。ちなみに装備やスキルは周回時に引き継げます。借金もちなので、装備はどんどん敵からむしりましょう(店でも購入可)。
基本的な目的は借金の返済ですが、麗しき貴族夫人に元愛人たちを試合中に始末するよう依頼されたり、優秀な女剣奴を目当てに圧力をかけられている貴族を助けたり、次期皇帝の護衛に抜擢されたりとドラマチックな展開が待っていたりもするのです。
この浪漫あふれる感じがたまらないんですよね。ツボを押さえている感じ。キャラクターたちも深みがあって生き生きしていますしね。
プレイヤーとたびたび試合することになるライバル。
PSPのアクションの中では渋い題材かな、とはじめこそ思いはましたが、なかなかどうして面白いゲームですよ。
シリーズの他タイトルをプレイしたことはありませんが、話はこのゲームで完結しているので問題なく遊べました。
筆者は真っ先に貴族夫人と仲良くなることにしましたが、剣闘士の試合を主催している貴族は複数人いて、そのいずれかと仲良くなると個別のエピソードが展開する流れとなります。借金を完済して静かに剣闘士生活を終える選択もありますよ。
主人公のデザインは定まっていないので、ゲームスタート時は出身地や名前、性別、肌色に体格などを設定します。筆者が作ったのは、眼帯の褐色女剣闘士「はらぺーにょ」。己が力で成り上がる設定に合わせ、体格は筋肉質としました。なので腹筋が割れています。イイネ!
侮れない強さを持つ戦士というイメージから、名をはらぺーにょとしました。ピリリと辛い戦士になっておくれ。
ちなみに私が好きなのは、下画像の貴族夫人・エリザヴェタ。有力な貴族の妻になったものの、装飾品のように扱われ、屋敷に閉じ込められるような暮らしに辟易しているようです。夫の長期不在中に剣闘士の男たちを弄ぶのは楽しくても満たされることはなく、夫が戻る前に浮気を清算しようとしたら泣きつかれるわ金をせびられるわ。このままでは夫に知られるからと、試合でとどめを刺すようはらぺーにょに依頼してきます。
本人もそうと自覚しているひどい女なので、静かに自分の話に耳を傾け、頼みを聞いてくれるはらぺーにょに特別なものを感じていく、というのが彼女とのお話の流れ。プレイヤーの性別によってテキストに多少の変化はありますが、展開は変わらないのでどちらにしても愛が芽生えます。
剣闘士をやっていると殺した人数は軽く100を超えてしまうので、今さらとどめを刺すことにさほど躊躇いもなく、はらぺーにょは悪女の元カレ軍団を抹殺することにしました。
人に囲まれていても、豪華な暮らしをしていても理解者はいなくて、寂しいのかなあなんて思うと放っておけず、この人と仲良くなることにしたのです。だって知的な悪女ってわりと好き。男を手玉に取ってきた悪女が、計算なしに弱みを見せて本心から頼ってくるのって、とってもいいと思うんだ。心のツボがぎゅっぎゅされちゃう。あと、彼女がたびたび口にする「頼りにしてるわよ、私の殺し屋さん」って台詞がものすごく好き。口調は軽いけど信頼はずっしり重いのがたまらないんだよなあ。
エリザヴェタと親しくなると、大物ムーブをかます剣闘士(画像左)が出てきます。あの女は俺のもの的なことを言ってきますが、彼も元カレ。捨てられ済みの人です。斬りましょう。
さらに夫(画像右)も出てきます。なんやかんやあって一度ははらぺーにょに救われますが、エリザヴェタのおいたを知っているので、生意気な剣闘士が俺に挑戦してきた、という体ではらぺーにょを自ら始末しようと試合を組んできます。どうやらはらぺーにょも浮気相手の1人と思っている様子。信頼関係があるだけなので、違うんですけどね。
夫はエリザヴェタのことを所有物のように見ていて、理解をしてくれる相手ではない、とのことですが……。
百合については理解しているようです。うむ。
試合とはいえ、奴隷が貴族を斬るなんてとんでもないことではありますが、エリザヴェタがあとのことはなんとかしてくれるそう。妻のGOサインが出たので、斬りましょう。
百合を解する者よ、さらば。
こうして凄腕の殺し屋さんであるはらぺーにょは貴族の奥様——ではないか。私が未亡人にしたんだった。未亡人を守りながら共に生きていくのでした。めでたしめでたし。
貴族の未亡人は地中海をまたにかける美術商となりました。
どうですか、このゲームの魅力が少しでも伝わっているといいのですが。プレイステーション・ポータブルパーフェクトカタログの宣伝のつもりが『剣闘士 グラディエータービギンズ』を、というかエリザヴェタを推しまくる記事になってしまいましたが、まあいいでしょう。興味があればぜひプレイしてみてくださいね。
あと、よろしければプレイステーション・ポータブルパーフェクトカタログもよろしくお願いします。PSPパーフェクトカタログで検索すると出てこないと思われるので、注意してくださいね。